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NDフィルターを使って長時間露光してみよう [スタッフRの「撮影に行こう」]

こんにちは、スタッフRです。
みなさんは、「NDフィルター」を使ったことはあるでしょうか。
ND(Neutral Density)フィルターとは、減光フィルターともいい、暗くするためだけに使用するフィルターです。
ただ暗くするのではなく、色味に影響が生じないよう極力ニュートラルに減光するように設計されています。
どのような時に使うかというと、
  • 明るい環境で絞り*1を開いて撮影したいとき
  • シャッタースピード*2をなるべく遅くして撮影したいとき

このようなときに、NDフィルターを使用します。
具体的には、前者は昼間の屋外のポートレート*3等、後者は水の流れや人混みの表現等に使用することが多いです。
今回の記事では、後者の「流れ」の表現をしてみようと思います。

161210-00-ndfilter.jpg

NDフィルターは「ND○○」といった感じに、「ND」の後に番号が記載されています。
この番号は「入射する光を何分の一にするか」を表していて、例えば「ND8」であれば「1/8」に、「ND400」であれば「1/400」になります。
上の写真の左がND400、右がND8です。番号が大きいほど、フィルターは暗くなっています。
重ねて取り付けることもでき、その場合は番号を掛け合わせたフィルターと同等の効果となります。

今回は、ケンコー・トキナーのNDフィルター「Kenko PRO ND8」と「Kenko MC ND400」を使用し、長時間露光*4してきました。
普通に撮影した場合とどのように違うのか、どんな写真が撮れるのか、少しでも参考になればと思います。
カメラ・レンズは「PENTAX K-1」と「smc PENTAX-FA 28-105mm F3.2-4.5 AL [IF]」を使用しました。
写真はRAWモードで撮影し、RAW現像・調整には「SILKYPIX Developer Studio Pro 7」を使用しています。
また、今回は「長時間露光」、すなわちシャッタースピードを長くしての撮影のため、三脚を使用しています。

161210-01-fountain.jpg

まずは、噴水を何も考えずに撮ってみました。
絞りは開放(F4.5)で、シャッタースピードは1/320秒となりました。
噴水から上がった水しぶきと、泡立つ水面の様子を写し撮っていますが、ちょっと中途半端に感じます。
(比較のためにはもっとシャッタースピードを速くしたかったのですが、このレンズではこれ以上絞りを開けることはできませんでした)
そこで、次に「ND8」フィルターを取り付け、絞りをF11まで絞って撮影してみました。

161210-02-fountain-nd.jpg

どうでしょうか。シャッタースピードは1/8秒、流れる水が白い線となり、より滑らかに写りました。
「一瞬」の再現であれば「絞りを開け、速いシャッタースピード」の撮影がいいですが、「流れ」の再現であれば「絞り込んで、遅いシャッタースピード」の撮影がいいですね。
明るい環境で「遅いシャッタースピード」で撮影しようとすると、かなり絞らないといけません。
しかし、絞りすぎると「回折ボケ*5」により解像感*6が失われてしまいます。
NDフィルターを使って光量自体を減らすことで、あまり絞らずに遅いシャッタースピードを実現できます。

161210-03-fountain-mono.jpg

こちらは、NDフィルターを付けずに絞り開放(F4.5)、シャッタースピードは1/1600秒で撮影。
逆光*7の午後の日差しを活かすため、SILKYPIXのテイスト「ハードモノクローム」を使ってハイコントラスト*8に表現してみました。
手前の水面の輝きによって生じたボケと、奥の噴水による躍動感が印象的になったのではないかと思います。

161210-04-fountain-mono-nd.jpg

一方、こちらは「ND400」フィルターを取り付けてF11まで絞り込んで撮影。
噴水の手前に流れを感じさせるものが少なかったため、絞り込んだことで平坦な雰囲気になってしまいました。
むしろ絞りは開放のまま撮影し、手前の水面のボケを際立たせた方がよかったかもしれません。
表現意図に応じてNDフィルターの使い分けや設定の変更が必要ですね。

161210-05-beach.jpg

今度は砂浜と海を撮影してみます。
F11まで絞ってもシャッタースピードは1/500秒、太陽が写真に写っていることからも、とても眩しい条件だったことが分かります。
飛んでいるカモメも止まって写っていますね。

161210-06-beach-nd.jpg

次に、「ND8」フィルターと「ND400」フィルターを重ね、「ND3200」相当として撮影してみました。
シャッタースピードは5秒、先程の噴水と同じように、海面が滑らかに写っていますね。
この日は風が強かったこともあり、雲の流れも面白くなりました。
もっと遅いシャッタースピードとすることで、雲の流れを大きくできます。
フィルターを重ねたことで、反射面が増えたことによりゴースト*9が生じていますが、こればかりは仕方ないですね。
どちらの表現が、みなさんの好みでしょうか。

161210-07-pier.jpg

以前も撮影した場所ですが、先程と同じ条件(「ND3200」相当、F11、5秒)で撮影。
滑らかな水面が輝きを放ち、思った通りのハイコントラストで写ってくれました。
(ちょっと目立ったゴーストが入ってしまいましたが…)
風が強いと三脚の設置や撮影中の揺れ等に気をつかう必要がありますが、その分印象的な空になると思います。

161210-08-beach.jpg

こちらも、「ND3200」相当で、F11、4秒間。
現像時にSILKYPIXのテイスト「スウィートライトブルー」を使い、露出*10を明るくして柔らかく表現してみました。
コントラストの違いやホワイトバランス*11の違いなど、先程とはほぼ真逆の調整です。
「瞬間」や「流れ」の表現はあくまで「入口」、その先にどのような調整をするか、意図に応じて変えてみましょう。

今回は、NDフィルターを使った表現について、ご紹介しました。
シャッタースピードと絞りの調整による表現は撮影後の画像処理では難しいため、現在でもNDフィルターは用いられることが多いフィルターといえます。
速いシャッタースピードによる「瞬間」の表現に、遅いシャッタースピードによる「流れ」の表現。
人間の視覚では捉えられない現象を写真に写し込めますので、ぜひ活用してみてください。
きっと写真の表現の幅が広がるはずです。



*1 絞りとは、レンズから入る光の量を調整する機構のことです。
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*2 シャッタースピードとは、シャッターが開いてから閉じるまでの時間(露光時間)のことをいいます。
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*3 ポートレートとは、人物を主題とした写真のことをいいます。
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*4 長時間露光とは、長い時間シャッターを開けて撮影することです。
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*5 回折ボケとは、絞りを絞り込んだときに生じる回折(光の回り込み現象)により、写真がぼやけることをいいます。
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*6 解像とは、レンズを通した像がしっかりと結像していることをいいますが、写真を見たときに解像しているように見える度合いを解像感といいます。
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*7 レンズが光源を向いている状態を逆光といいます。逆光では光と影の明暗差が大きくなるためコントラストが高く、光を印象的に写すことができます。また、レンズフレアが出てぼんやりと写ることもあります。
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*8 コントラストとは、最も暗い部分と最も明るい部分の輝度の差のことです。コントラストが高いとはっきりとした印象になります。
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*9 ゴーストとは、レンズに強い光が入ったときに内部で反射して生じる光の漏れのうち、はっきりとした形状となって表れるものをいいます。 フードを付け、余計な光が入らないようにすることで防止することができますが、逆光などの条件ではどうしても出てしまうことがあります。
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*10 露出とは、記録される写真の明るさのことです。 露出はレンズの絞りやシャッタースピード、そしてセンサの感度により決まります。
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*11 ホワイトバランスとは、光源の影響を打ち消したり、強調したりするために色味を変更する機能です。ホワイトバランスを調整することで、「自然な色」の再現のほか、作品としての「色作り」を行うことができます。
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